木材は、強度の高さや天然の風合いが愛され、古来より建築材料を初めとする広い市場で高い評価をうけてきましたがプラスチックのように、様々な形状へ成形することが困難でした。
木材は、強度の高さや天然の風合いが愛され、古来より建築材料を初めとする広い市場で高い評価をうけてきましたがプラスチックのように、様々な形状へ成形することが困難でした。
プラスチック材料は優れた成形性・生産性、均質な品質などを特長とし発展してきましたが原料コストの高さや強度不足が課題としてあげられてきました。
木材とプラスチックの複合化技術の開発がおよそ30数年前にヨーロッパで始まり〈Wood Plastic Composites〉(以下"WPC")として製品化されてきました。日本では1990年初頭に内装用にWPCを使用し始めたのが初期のWPC導入例となります。
1997年には屋外デッキ専用WPC製品も製品化されるようになり、その後技術の進歩とともに木材とプラスチックの配合比率を変えた様々な木材・プラスチック複合材を選ぶことができるようになりました。
このWPCの技術を元に研究開発されたものが「木材・プラスチック再生複合材〈Wood-Plastic Recycled Composite〉」(以下"WPRC")です。
WPRCはリサイクル材料(廃棄物として発生した木質原料と産業廃棄されたプラスチック原料)を主原料としこれらを再生複合、成形した素材です。
2000年を過ぎる頃には「環境」をキーワードに公共事業などに多く採用されるようになり、日本でも屋外用WPRC市場が一気に開花しました。
WPRCは「リサイクル材料」として広い分野で製品化されるとともに、使用後には回収して繰り返し原料として使用できる「多回リサイクル性」を もつことで廃棄物の削減や資源保護、環境保全に配慮し持続的発展が可能な社会の形成に不可欠な素材とて認知されてきました。
1990年代後半から2000年代後半に掛けて当普及部会員による製品供給が一気に進み、品質の担保された製品が安定供給されるようになりWPRCの普及に 貢献しました。2010年代に入り、更なるWPRCの普及を目指し市場要求に応えるべく機能の多様化を図った製品展開や技術開発を進めており、 技術的な進歩や規格の整備に伴い、持続的資源循環社会の実現へ向けたWPRCの用途は一層の広がりを見せることが予測されます。