木材は、強度の高さや天然の風合いが愛され、古来より建築材料を初めとする広い市場で高い評価をうけてきましたがプラスチックのように、様々な形状へ成形することが困難でした。
木材は、強度の高さや天然の風合いが愛され、古来より建築材料を初めとする広い市場で高い評価をうけてきましたがプラスチックのように、様々な形状へ成形することが困難でした。
プラスチック材料は優れた成形性・生産性、均質な品質などを特長とし発展してきましたが原料コストの高さや強度不足が課題としてあげられてきました。
この双方の課題を補うため木材とプラスチックの複合化技術の開発がおよそ1990年代初めにヨーロッパで始まり〈Wood Plastic Composites〉(以下"WPC")として製品化されてきました。日本では1993年に内装用にWPCを使用し始めたのが初期のWPC導入例となります。
1997年には屋外デッキ専用WPC製品も製品化されるようになり、その後技術の進歩とともに木材とプラスチックの配合比率を変えた様々な木材・プラスチック複合材を選ぶことができるようになりました。
このWPCの技術を基に研究開発されたものが、「木材・プラスチック再生複合材〈Wood-Plastic Recycled Composite〉」(以下"WPRC")です。
WPRCはリサイクル材料(廃棄物として発生した木質原料と産業廃棄されたプラスチック原料)を主原料としこれらを再生複合、成形した素材です。
2000年を過ぎる頃には「環境」をキーワードに公共事業などに多く採用されるようになり、日本でも屋外用WPRC市場が一気に開花しました。
サーキュラーエコノミーとは、資源を効率的・循環的に利用することで、廃棄物の発生をあらゆる段階で最小限にしつつ、付加価値を最大化することを目指す社会経済システムのことです。WPRCは「リサイクル材料」として広い分野で製品化されるとともに、使用後には回収し、再び原料として使用すること(水平リサイクル)ができることから、廃棄物の削減や資源保護、環境保全に配慮し、持続的発展が可能な社会の形成に不可欠な素材として認知されてきました。
1990年代から2000年代後半
当部会員による製品供給が一気に進み、品質の担保された製品が安定供給されるようになりWPRCの普及に貢献しました。
2000年代後半から2010年代
2000年代後半以降、更なるWPRCの普及を目指し市場要求に応えるべく機能の多様化を図った製品展開や技術開発が進められ、 技術的な進歩や規格の整備が行われました。これによりWPRCの用途は、サーキュラーエコノミーの実現へ向けて一層の広がりを見せ、2018年「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」に基づきWPRCが特定調達品目として指定され公共事業等にも多く採用され始めました。
(→詳しくはグリーン購入法関連情報のページ参照)
2020年代とこれから
2020年には、WPRCに関する国際規格(ISO 20819-1, ISO 20819-2)が制定されました。また、2023年にはSuMPO環境ラベルプログラムにおいて、SuMPO EPDの認定PCR(名称:木材・プラスチック複合材、PCR番号:PA-249000-CA-01)が作成され、製品の環境性能を一定の基準で評価できるようになりました。このように、WPRCを活用したサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを海外にも普及させるため、規格整備が進められてきました。
(→詳しくはJIS/ISO関連情報のページ参照)
近年、WPRCの市場ではロープライス製品が世界中を席巻しつつある状況ですが、一方でWPRCのような環境配慮性の向上を掲げた製品や高機能化を掲げた製品など、付加価値の高い製品の市場も形成されつつあります。この二極化の様相を呈する市場の流れに加え、企業の統廃合やグローバル化等、WPRCの市場は次のステージへと大きく展開していくことが考えられます。