木材・プラスチック再生複合材普及部会
 

WPRCの環境性能

 

木材・プラスチック再生複合材(WPRC)の環境性能

はじめに

木材・プラスチック再生複合材(WPRC)は、環境配慮型製品素材として、「リサイクル原料を使用」「多回リサイクルが可能」などの特長を持っています(詳しくはWPRCの概要ページを参照)。本ページでは、これらの環境配慮の効果を具体的に表した事例を紹介します。

また、WPRCは「原料にリサイクル材を使用しているが、建材として使用できるのか、その安全性は確保されているのか」という品質保証上の疑問を払拭するために、JIS規格が制定されています(詳しくはJISA5741関連情報のページ参照)。品質は一定水準以上を保証し、かつできるだけ環境負荷の小さい製品素材となるよう当普及部会では調査・研究を行なっています。

リサイクルプラスチックの使用によるCO2排出量の削減 注1)

WPRCは、従来はプラスチック系の原材料にバージンプラスチック 注2)を使用していましたが、現在は環境への配慮からその多くをリサイクルプラスチックに切り替えています。

このプラスチック系原材料のリサイクル材への転換により、WPRCのライフサイクル全体 注3)から発生するCO2量を約41%削減することができます。


図:WPRCのライフサイクル全体から発生するCO2

製品のCO2(C)貯蔵機能

WPRC製品1kg中に貯蔵されているC(炭素)量は、原材料であるプラスチックと木材の混合割合を1:1 注4)とした場合、約0.68kg-Cとなります(CO2に換算すると約2.5kg-CO2注5)注6)。このうち、プラスチック部分の貯蔵量が0.43 kg-C、木材部分の貯蔵量が0.25 kg-Cとなります。

貯蔵されたC(炭素)は、WPRCを廃棄し焼却処分するまでは大気中に放出されません(焼却すると貯蔵していたCが再びCO2となり大気中に放出されます)。よって、地球温暖化防止の観点から、WPRC製品を長く大切に使用すること使用後の製品をリサイクルすることが重要になってきます。

特に、WPRCの原材料の半分を占める木材は、(伐採される前の)樹木だった時に、成長過程で大気中のCO2を吸収し、C(炭素)の形で貯蔵しています。貯蔵したC(炭素)は、樹木が伐採され木材製品となった後も貯蔵され続けます。そして、樹木の伐採跡地に苗木を植え、育てることにより、跡地で成長する樹木は成長過程で再び二酸化炭素(CO2)を吸収します。つまり、WPRCなどの木材製品を積極的に使用し、跡地に森林を育成することで、C(炭素)の貯蔵庫をどんどん増やすことができるのです。単位重量あたりのC(炭素)貯蔵量は、木材よりもプラスチックの方が大きいのですが、この、新しい貯蔵庫を生み出し、増やす効果は、木材利用によってしか得られない大きな利点と言えます。

また、WPRCの原材料として木材の中でも特にリサイクル材(建設発生木材)を使用することは、建築廃棄物の中ではリサイクル率が低い部類注7)である木材のリサイクル率の向上という視点からも高く評価できます。


図:森林および木材製品のC(炭素)貯蔵機能のイメージ 注8)

多回リサイクルの効果

WPRCは、使用後には回収して繰り返し原料として使用できる「多回リサイクル性」を持っています。多回リサイクルのシステムを実現することで、廃棄物の発生量と新規資源の採取・採掘量を削減することができます。


図:多回リサイクルのイメージ

WPRC製品のライフサイクル全体で発生するCO2量を、国のカーボンフットプリント制度試行事業(2012年度からは新CFPプログラムにリニューアル)注9)に基づいて算定したところ、使用済みのWPRC製品の92% 注10)を焼却処分した場合、発生するCO2量は全体の42%と大きな割合を占めることがわかりました 注11)。使用済みWPRC製品を多回リサイクルする(焼却処分しない)ことが、温暖化防止の観点から効果的であることがわかります。


図:WPRC製品のライフサイクル全体で発生するCO2量の割合

林地残材の有効利用による効果

人工林の間伐が行われた際に、林内に放置される林地残材 注13)は、WPRCの原材料として使用することが可能です。当普及部会に所属する企業が年間に生産するWPRCは年間21,821t(2010年)ですが、この原材料に全て林地残材を用いた場合、実に3,753haの森林(東京ドーム802個分の面積に相当)に放置されている林地残材を有効利用することに繋がります。


図:林地残材の有効利用による効果

注1)
「渕上佑樹,神代圭輔,古田裕三:WPRC(Wood Plastic Recycled Composites)のLCCO2評価,日本建築学会環境系論文集 76 (659),pp.83-89,2011」より引用。
注2)
リサイクルプラスチックの対義語として使用。廃プラスチックを使用せず、天然資源から製造されたプラスチック。
注3)
製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの過程のことを指す。本項では、リサイクルの効果を適切に評価するために、特殊なライフサイクルの設定をしている。詳しくは注1)の文献を参照。
注4)
重量(kg)ベース。
注5)
EICネット環境用語集の「炭素換算」の項を参照:http://www.eic.or.jp/
注6)
プラスチックの種類がポロプロピレン(PP)の場合。
注7)
建設発生木材は、建設リサイクル法の特定建設資材廃棄物に位置付けられているが、その再資源化率は平成14年度で61%と、同じく特定建設資材廃棄物であるコンクリート塊の98%、アスファルト・コンクリート塊の99%に比較すると低い。
注8)
財団法人日本木材総合情報センター 「3.9グリーンスタイルガイド」参照。
注9)
社団法人産業環境管理協会の新CFPプログラムページ参照:http://www.cfp-japan.jp/
注10)
環境省「一般廃棄物の排出および処理状況等(平成18年度実績)について」における一般廃棄物の処理状況を適用。これによると92 %が焼却処理、3%が直接埋立処理、5 %がリサイクル処理となる。
注11)
新CFPプログラムにおけるCFP対象製品「エコMウッドE05(検証番号:CV-CB01-001、事業者名:株式会社エコウッド)」のデータを引用。
注12)
新CFPプログラムにおける認定PCR「木材・プラスチック複合材(認定番号:PA-CB-01)」を適用。
注13)
立木を丸太にする際に出る枝葉や梢端部分および搬出されない曲がり材など
会員募集
WPRC素材メーカー、製品メーカー、インテリア・エクステリアにWPRCの活用をお考えの設計・施工会社および、 拡販を志向される商社等、会の趣旨に賛同される企業様の積極的なご参加をお待ちいたします。
 
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